3Dハイビジョン技術 ― 種と仕掛け

原田 信一

ハリウッド映画2010年・空前の大ヒット作アバターの作品製作を可能にした技術は日本発:白黒からカラー、ブラウン管から薄型へと進化を遂げてきたテレビが“平面”から“立体”へと新たな一歩を踏み出そうとしている。 世界有数の3D撮影技術を持つNHKメディアテクノロジーは、光の屈折を利用したレンズシフトアダプターの開発によって理想の立体視映像の撮影に成功し、3D映像をより身近なものにした。おなじみの「スポーツ観戦」や「外科手術の中継」など、これまで2次元で得ていた情報を3次元映像に変化させることによって映像が空気感を生む。それはあたかも自分がその場にいたかのような感覚を生じさせる。「情報を体験に」たゆまぬ進化を遂げてきたテレビが今まさに新たな境地へ踏み出そうとしている。常に映像技術の先端を走ってきた“日本の技術者”がそのタネとシカケを語る。

translated by Kaori Fukui

3Dハイビジョン技術 ― 種と仕掛け