飛鳥時代―四天王寺に生まれる。世界最古の宮大工、匠の集団。創業1400年を迎えた金剛組の起源は飛鳥時代6世紀末に遡る。聖徳太子の命により、百済の国より三人の工匠が招かれ四天王寺が創建された。工匠の頭として創建の総指揮を摂った金剛重光が初代金剛組の棟梁となる。 以来、幾多もの難局を乗り越え今日までの1400年に亘り、木造寺院建造の心と技を伝承し続ける。寺社建築を超え、日本の歴史的遺産と仰がれる寺院の工法は、今もなお金剛組の“組み上げ工法”と呼ばれる方法の中に生かし続け、材料から建造まで丹念な仕事を重ね、日本建築の持つ優美さと木のあたたかみを表現する独自の技術を開発。
日本三大庭園のひとつである偕楽園(水戸市)の好文亭をはじめ、関東にも多くの社寺仏閣建築を残す。全国八つの組からなる金剛組、宮大工110余名、次代へと日本の美を継承しつつ、日本の新しい建築のあり方にも貢献していくことを念じながら。